ここでは、主にこのEBPの体系的な学習の場を作りたいと考えている教育担当者向けに、各Moduleの学習の狙い・学習目標・期待される成果などを紹介します.なお、各教材は公開準備中です.
Module 00 学習コースのご案内
Module 01 EBP eラーニングへようこそ!
Module 02 EBPのプロセスを理解しよう
Module 03 日々の実践からEBPのきっかけをキャッチしよう
Module 04 科学的根拠が役立つ臨床の悩みはどれ?-疑問を整理しよう-
Module 05 エビデンスの種類を区別しよう
Module 06 エビデンスの強さと臨床への推奨度ーガイドラインをみてみようー
Module 07 レビュー論文を探そう -国内文献編 ー
Module 08 レビュー論文を探そう -海外文献編 ー
Module 09 文献検索データベースの使い分けと文献の入手方法
Module 10 EBPの評価と普及のためのフレームワーク
Module 11 EBPの取り組みやすさを分析してから取り組もう
Module 12 まとめ
Module 00
学習コースのご案内
- 学習内容:eラーニングを使った学習の仕方、eラーニングシステムの使い方について説明します.なおこのModuleでは、学びたいトピックを見つける「関心度チェック」と「実力試し」が含まれます.
- 期待される成果:このeラーニングでの学習の進め方がわかる.
- 受講要件:eラーニング登録後、最初に受講してください.
- 標準学習時間:60分
Module 01
EBP eラーニングへようこそ!
- 学習内容:「EBPについて学んだ知識は臨床にどのように還元されるのか?」を学びます.
- 学習目標:研究から得られる知見(科学的根拠)の意味を理解することが、なぜ臨床で行われるケアの改善につながるのか、EBPの考え方に基づいて理解することができる.
- 期待される成果:
①関心のある・学習したいコースを見つけることができる.
②EBPで求められる基礎知識について、すでに習得していること・まだ習得できていないものは何かを認識することができる.
③学習を進めながら、もしくは、学習を終えたときに、自分はどのようにEBPに取り組みたいか述べることができる.
④このeラーニングを通した自分の学習目標・行動目標を設定できる. - 受講要件:M00受講後は、まずこのモジュールを受講してください.なお「関心度チェック」と「実力試し」の利用は1回のみとなります.
- 標準学習時間:60分
Module 02
EBPのプロセスを理解しよう
- 学習内容:Evidence-based Medicine(EBM)の定義とEBMの5つのステップ、EBMを拡張したEBP(Evidence-based practice)と7つのステップについて学びます.
- 学習目標:臨床での疑問や悩みに対して、科学的根拠を実践に統合するときの一連の流れをEBPのプロセスに沿って理解できる.
- 学習のキーワード:
・エビデンスに基づく実践(Evidence-based Medicine、Evidence-based Practice)
・EBMの5つのステップ/EBPの7つのステップ - 期待される成果:
①EBPの基本的な考え方を述べることができる.
②EBPのプロセス(7 Steps)を説明することができる.
③EBPのよくある疑問や誤解に対して、それらの回答を述べることができる. - 受講要件:なし
- 標準学習時間:60分
Module 03
日々の実践からEBPのきっかけをキャッチしよう
- 学習内容:EBPのトリガーとして知られている「問題焦点型トリガー」と「知識焦点型トリガー」について学びます.
- 学習目標:EBPの契機となる出来事を、自分の臨床実践にあてはめて考えることができる.
- 学習のキーワード:
・問題焦点型トリガー
・知識焦点型トリガー - 期待される成果:
①EBPのトリガーとして「知識焦点型トリガー」「問題焦点型トリガー」の違いと具体例を述べることができる.
② ①のトリガーと自分の臨床を照らし合わせて、EBPのきっかけになるものを具体的にあげることができる. - 受講要件:なし.
- 標準学習時間:60分
Module 04
科学的根拠が役立つ臨床の悩みはどれ?
-疑問を整理しよう-
- 学習内容:臨床での様々な疑問の中で、科学的根拠が役立つもの・そうでないものを整理するための考え方を学びます.
- 学習目標:臨床の疑問をPICOで定式化できる.
- 学習のキーワード:
・臨床疑問
・背景疑問、前景疑問
・臨床疑問の定式化
・PICO(PECO) - 期待される成果:
①臨床で生じる様々な疑問について、背景疑問と前景疑問に分類することができる.
②臨床の疑問をまとめた文章を読んで、P・I(E)・C・Oをそれぞれ特定することができる.
③自分の臨床疑問を具体的にあげて、背景疑問・前景疑問のどちらに該当するかを分類し、前景疑問についてはPI(E)COで具体的に述べることができる. - 受講要件:M03の課題(ワーク)を用います.
- 標準学習時間:60分
Module 05
エビデンスの種類を区別しよう
- 学習内容:臨床で「エビデンス」となるものには様々なものがありますが、実はエビデンスにもレベルがあります.その中でも、EBPでとくに焦点をあてるエビデンスとは何か、なぜそのエビデンスが重要なのかを学びます.
- 学習目標:エビデンスのレベルはどのように決まるのかを理解することができる.
- 学習のキーワード:
・エビデンスレベル(エビデンスの強さ・弱さ)
・エビデンスレベルのピラミッド
・1次文献と2次文献 - 期待される成果:
①エビデンスのレベル(強さ・弱さ)について、研究デザインをふまえて説明できる.
②エビデンスとして参照される文献の種類と、文献の種類によって何が違うのかを述べることができる.
③2次文献に該当する文献にはどのようなものがあるか述べることができる. - 受講要件:なし.
- 標準学習時間:60分
Module 06
エビデンスの強さと臨床への推奨度
-ガイドラインをみてみよう-
- 学習内容:科学的根拠に基づくガイドラインを構成する要素のうち、「エビデンスの強さ」と「臨床への推奨度」の2軸の読み方について学びます.
- 学習目標:信頼できる科学的根拠に基づくガイドラインの選び方・読み方がわかる.
- 学習のキーワード:
・科学的根拠に基づくガイドライン
・エビデンスの強さ
・Mindsガイドラインライブラリ - 期待される成果:
①科学的根拠に基づくガイドラインと、そうではないガイドラインの違いを述べることができる.
②エビデンスの強さに関連する要因を述べることができる.
③科学的根拠に基づくガイドラインをインターネット上で検索することができる. - 受講要件:M05の内容を理解していると学習がスムーズです.
- 標準学習時間:60分
Module 07
レビュー論文を探そう
-国内文献編-
- 学習内容:国内外で毎日のように新しい論文が発表されていますが、その1つ1つを全て確認することは容易ではありません.そこで、効率的な文献検索に欠かせない基礎知識と、とくに日本語で書かれたレビュー論文の探し方について学びます.
- 学習目標:日本語のレビュー論文の探し方がわかる.
- 学習のキーワード:
・レビュー論文
・系統的(システマティック)レビュー
・論理演算子
・医中誌
・シソーラス - 期待される成果:
①なぜレビュー論文が重要なのかを述べることができる.
②論理演算子を組み合わせた検索を行うことができる.
③シソーラスの意味・仕組みについて述べることができる.
④医中誌を使って、レビュー論文に関するシソーラスを指定して検索することができる. - 受講要件:M05の内容を理解していると学習がスムーズです.
- 標準学習時間:60分
Module 08
レビュー論文を探そう
-海外文献編-
- 学習内容:日本語以外で書かれている文献も探したり読んだりしないといけないんだろうか…興味はあるけどハードルが高いと感じる人も多いと思います.そこで、効率的に海外のレビュー論文を探すための方法について学びます.
- 学習目標:海外で発表されたレビュー論文の探し方がわかる.
- 学習のキーワード:
・レビュー論文
・系統的(システマティック)レビュー
・論理演算子
・PubMed
・MeSH terms - 期待される成果:
①海外のレビュー論文を探すことの意義について述べることができる.
②論理演算式を組み合わせた検索を行うことができる.
③PubMedのMeSH termsを調べることができる.
④PubMedを使って、レビュー論文に関するタグをつけて検索することができる. - 受講要件:M07の内容を理解していると学習がスムーズです.
- 標準学習時間:60分
Module 09
文献検索データベースの使い分けと文献の入手方法
- 学習内容:国内外で利用できる無料・有料の様々な文献データベースについて、それぞれの特徴を学びます.また論文は全文無料で読めるもの・読めないものとがあります.その理由とあわせて、文献の入手方法について学びます.
- 学習目標:多数ある文献データベースの中から、自分の目的にあった文献データベースを選ぶことができる.読みたいと思った文献を全文無料で入手できないときに、どうすれば入手できるかがわかる.
- 学習のキーワード:
・文献データベース:CiNii, Google Scholar, Cochrane Library
・オープンアクセス
・機関リポジトリ - 期待される成果:
①無料で全文読める文献と読めない文献がある理由について、説明することができる.
②国内外の様々な文献データベースの特徴を述べることができる. - 受講要件:M07, M08の学習内容に関連するコースです.
- 標準学習時間:60分
Module 10
EBPの取り組みで考慮すべき要因を分析してから取り組もう
- 学習内容:ガイドラインや論文等の吟味を経て、「効果がある方法を行う/効果がない方法をやめる」といった取り組みを実際に進める過程で、どのような要因を影響するのかを学びます.
- 学習目標:EBPに実際に取り組むときの過程に影響する要因を理解することができる.
- 学習のキーワード:
・Shared decision making
・EBPの準備状況
・EBPの実装(implementation) - 期待される成果:
①取り組もうと思う治療やケアやその効果の大きさは、臨床の対象者にとってどのような意味をもつのか、考察することができる.
②自分が所属する組織やチームの、EBPへの取り組みに対する準備状況を評価することができる.
③自分が取り組んでみたいEBPを進めるにあたって、何から着手すればよいか、具体的に述べることができる. - 受講要件:とくにありません.
- 標準学習時間:60分
Module 11
EBPの評価と普及のためのフレームワーク
- 学習内容:EBPの一連の取り組みについてどのように評価すればよいのか、また普及・定着に向けたプロセスについて学びます.
- 学習目標:EBPの一連の過程を評価するときの方法や、その後の普及に向けたプロセスがわかる.
- 学習のキーワード:
・EBPの評価
・普及 - 期待される成果:
①あなたが(または、所属する組織やチームで)取り組みたいと思うEBPについて、どのような評価方法で評価可能か述べることができる.
②あなたが(または、所属する組織やチームで)取り組みたいと思うEBPについて、組織やチーム・地域等で普及・定着させたいとき、どのような要因に注目するとよいか、具体的に述べることができる. - 受講要件:とくにありませんが、M10の学習を終えてから学習すると、思考が深まります.
- 標準学習時間:60分
Module 12
まとめ
- 学習内容:このコースは「学習のおさらい」のテストです.EBPの考え方や、とくにEBPで求められる情報リテラシー(文献の検索・読解)についておさらいしましょう.
- 学習目標:自分の学習状況を把握し、今後の学習方針を立てることができる.
- 期待される成果:
①EBPで求められる基礎知識について、すでに習得していること・まだ習得できていないものは何かを認識することができる.
②再学習が必要なコースを特定できる. - 受講要件:なし.
- 標準学習時間:30分